SPECIAL INTERVIEW
池谷敏郎医師 × ワイズ製薬久保木対談
現代人の代謝の実態と、
おすすめのミネラル摂取方法

01. 亜鉛、ミネラルと代謝の関係について
久保木
先生、亜鉛やミネラルがどのように代謝と関係しているのかについて教えていただけますでしょうか。
池谷医師
まず「代謝」ってよく聞いたり話したりするけど、あまりよくわからないものですよね。
久保木
そうですね。
池谷医師
「代謝について」まずご説明しますね。私たちの身体は食べたものを分解して吸収しますよね。そして、その過程で生きていくために必要なエネルギーを生み出していきます。
そして、私たちの身体を構成している組織、細胞、さまざまなものを作るために材料として使っていく。それから、食べられないときのために脂肪として備蓄したり、グリコーゲンとして筋肉にエネルギーを貯めておいたりするわけですが、このすべての営みが代謝というものになります。
この代謝の時に、食べたものを分解したり、違うものに変えていったり、エネルギーを作ったりするときに酵素というものが働きます。この酵素の働きによって姿形を変えてエネルギーを生み出したり、いろいろなものの材料になっていきます。
この酵素の働きをサポートするのに、亜鉛のようなミネラルが必要不可欠になります。特に亜鉛は300とか1000とか言われる種類の様々な酵素の働きをサポートしています。ですから亜鉛が私たちの身体の代謝にとってとても大事な働きをしてると言うことになります。
久保木
ありがとうございます。亜鉛はヒトが生きていく上で大切なことがわかりましたし、代謝もやはり生きていく上では全ての機能に携わっているということがよくわかりました。

02. ミネラル(特に亜鉛)の摂取方法
久保木
代謝を整えるためにどのように亜鉛とミネラルを摂るのがお勧めでしょうか。
池谷医師
やはり代謝というのは体内で絶えず行われていますので、一度食べて貯めておくというよりは、例えば1日 3食であれば、その中にしっかりミネラルや亜鉛が欠乏しないように多く含んだ食材を取り入れていくという食生活がすごく大事になってきます。
例えば、亜鉛の吸収をよくする食べ方というのがあって、動物性のたんぱく質やビタミンを一緒に摂ることが大事なんですよ。
そうすると、吸収率が上がってきます。一方で、その亜鉛を吸収しにくくするものというのがあって、これが意外なもので腸内環境のためにとりましょうとよく言われる食物繊維だったりするんです。
他にも気を付けてほしいのは、やはり食品添加物。こういう物質はかなり亜鉛の吸収を抑えてしまいます。それから、お酒やアルコールは亜鉛を身体から排泄してしまうとも言われいます。
激しい運動をして汗をかくときにも、汗の中に実は塩分だけじゃなくて、そういう微量な亜鉛とかが、貴重な亜鉛が流れ出てしまっているということがあるわけです。

03. 代謝と冷たい飲み物の関係
久保木
先生の著書を読ませていただきまして、「冷たい飲み物が代謝を上げる」というのが書いてあるかと思うのですが、ぜひそのことについて教えていただけないでしょうか。
池谷医師
そうですね。まず水を1日1500CC、例えば食事の前に500CCですね、3回飲むだけで、数カ月、2、3ヶ月で4キロ近く痩せたというデータもあります。
久保木
やはり2キロ、3リットル以上飲むといい、という話は本当なんですね。
池谷医師
大体1.5リットルが必要ですね。生きてくためにはね。食事から大体1000取れるので。あと1500というのは水分として取る必要が少なくともあるわけです。なぜそれで痩せたかというと、水を飲むことによって満腹感が得られて、それで食事が減るのではないかという説もあるのですが、代謝の面から考えると、僕は体温を下げることだと思います。
水で体温が下がった状態から元の体温を維持するために、熱を作らないといけないわけです。そこでエネルギーが必要ですよね。例えば、ペットボトル1本の冷たい水を体と同じ体温まで上げるためには、それなりのエネルギーを使うじゃないですか。
そういうものを積み重ねることによって、やはり代謝を高めてダイエット効果が得られるというふうにも考えられると思います。それから、最近、面白いデータがもう一つあって、「寒冷刺激」という冷たい刺激が実は燃える身体を作ることが分かっていて。
脂肪の細胞には2種類あって、脂肪を溜め込む白色脂肪細胞というものがあって、これはただ食べると脂肪として溜まってしまうんですね。
もうひとつ褐色脂肪細胞といって、どんどんエネルギーを熱に変えていってどんどん使っていってしまう。もともと持てる量が決まっていて、段々と年齢とともに出てしまうんだけど、実は白色脂肪細胞に寒冷刺激という冷たい刺激を与え続けると、あたかも褐色脂肪細胞のように元々脂肪を溜め込むだけだった脂肪細胞が熱を作って、脂肪を燃やしてくれる細胞に変わるなんてことがあります。
なので、冷たい刺激というのは代謝にとって悪くない。寒い冬の方が基礎代謝が上がるという研究結果もあります。

04. 代謝を上げるには、炭酸水もおすすめ
久保木
なるほど。ありがとうございます。
さらに「炭酸水がいい」という話を聞いたのですが。いかがでしょう。
池谷医師
冷たい水で胃が痛くなってしまったり、お腹の調子が悪くなったという方が多いし、女性の方なども、冷たいのが苦手な方が多くて、白湯を好まれている。そういった方にとって白湯はすごくいい方法なんです。でも、さっき大切といった冷たい水が、少し矛盾しているというのがあって、何かいい方法がないかなと思ったのですが、そこで炭酸水なんですよね。
炭酸というのは胃腸の粘膜を刺激して、血流を良くしてくれます。血流によって臓器というのは正常に働きますから、血行が良くなると温度が上がって、臓器の機能が十二分に発揮されてくるということが考えられるわけです。
冷たい水はそれに相反するもの、でも炭酸の効果が入ってくると、それを少し緩和してくれるのではないかなと期待を持っています。それから、水を飲むと満腹感が得られるよという時に、炭酸の方が腹持ちがいいイメージが湧くと思うのですが、そういった意味でもダイエット効果に役立って、代謝も高まって、メタボが病気として邪魔になった時代においてはとてもいい飲み物かなと思います。
久保木
代謝を上げるには冷たいものを飲むのがいいこと、あと効率的な方法を教えていただきありがとうございました。

05. 代謝を上げる運動方法
久保木
とはいえ、やはり代謝を上げるには運動が大事だと思うのですが、先生がお勧めしている適度な運動の方法があれば教えていただけますか。
池谷医師
そうですね。私は「ゾンビ体操」というものを提唱しています。時間がないとか寒いとかで人は言い訳ばかりするので、小さなスペースで暑くても寒くてもね、手軽にできる体操ということで、その場でスロージョギングをしながら、体を癒してリラックス効果を高めて、上半身も動かして、1分走って30秒歩く。
これを3回ほど繰り返すと、大体10分のウォーキングに相当しますよ、というものを提唱してYouTubeとかでも展開はしています。ただね、日頃とにかく歩くだけでも十分なんです。どのぐらい歩いたらいいかというと、9000歩がいいと言われています。
内容はともかく、9000歩を維持するというのが最も効率的で健康にいい。それからメンタルや精神的にもいい運動と言われています。
久保木
9000歩であれば、皆さん普通の生活を送るだけでも歩ける歩数かなと思いますね。
池谷医師
そうですね。意識的に階段を使ったり、少し歩く頻度を増やしたり、負荷をかけてみたりするのもいいかもしれませんね。
あと内臓脂肪を落とす一番効率のいい運動は、強度としてはラクに感じるかややきついぐらいがいいんですね。20~30分やってそれを週3回ほどやると、かなり内臓脂肪の蓄積を抑えられるかなと思います。心拍数だとだいたい100から110ぐらいになる運動がいいかなと思います。

06. 代謝を上げるメリットについて
久保木
ありがとうございます。
それでは最後に代謝を上げることでのメリットを教えていただければと思います。
池谷医師
まず、代謝が上がってくればエネルギーを使いますから、当然脂肪の蓄積が抑えられます。今、病気の根源、一番大事と言われている内臓脂肪を減らすことに役立つと思います。それから、私たちの身体が正常に元気に機能するためには、さまざまな代謝が正常に行われなければいけない。
そして、その代謝の要が実は亜鉛とかのミネラルにあって、それが欠乏している方がとても多くなっている。特に高齢者や子供たち、若い女性に亜鉛が足りないと言われています。
その結果、味覚がおかしくなったり、抵抗力が落ちて風邪をひきやすくなったり、髪や肌の調子が悪いとか、さまざまな不調が起こっているというふうに危惧されています。
ですから、そういった問題を根本から解決するために、代謝を高めて正常にするということで、その為にしっかり栄養素を摂っていくことが大事かなと思います。
久保木
やはりダイエットだけではなくて、そういった健康の維持や美の追求、生活習慣病予防にもつながるということですね。
池谷医師
バランスのいい食生活、そして適度な運動ですね。睡眠も大事ですが、基本的なところがとても健康のためには大事ということですね。
久保木
ありがとうございます。
先生がやっている代謝方法を教えていただけると嬉しいです。
池谷医師
これは基礎代謝のアップにもつながると思うのですが、やはり筋力、筋肉量を落とさないということはやはり大事かなと思うので、その材料であるタンパク質、ミネラルも含めてしっかりとって、その上で筋トレもやりながら、ついた筋肉で有酸素運動をしていく。
そのようなことがすごく大事になってくるので、それをしっかりやってますね。
それから食事は結構バランスよく食べているのですが、やはりミネラルとかが足りなくなりやすいので、サプリメントを結構摂るようにしています。なので、バランスの良い飲み物とか食べ物があれば、それを補助的に取り入れています。
久保木
著書とインターネットで見ていた先生とお話ができて大変勉強になりましたし、
本当にざっくりしか知らなかったミネラルと代謝の関係が今日お話しさせていただいて、すごい自分の中で理解できたと思います。本当にありがとうございました。
今日の1日で分かったのですが。先生は代謝が高いからこんなに美しいのかと。
先生みたいな大人になれるように頑張ります。
池谷医師
お前が言うな、の状態にならないように、日々努力を続けていきたいと思います。
よろしくお願いします。

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